旧第五十九銀行
本店
旧第五十九銀行
本店
完成:1904年
設計:堀江佐吉
場所:青森県弘前市
この建築を擬洋風と呼ぶことには少し抵抗感すらあります。確かに木造と漆喰という日本建築の技術で建てられていますが、しかし意匠の面で日本建築を感じさせる部分は無く、完全に洋風の威厳を備えています。堀江佐吉による擬洋風建築の一つの到達点、それがこの旧第五十九銀行本店です。
ルネサンス様式を思わせるシンメトリーで精緻な意匠は銀行としての風格を完全に備えています。同様の威厳を煉瓦造などの様式建築で実現することの多かった銀行建築において、木造でここまでのものを建てているのは驚きです。
1階は営業室。細かな意匠で威容を誇示しているのはもはや様式建築の領域に達しています。銀行らしいレイアウトですが、木造でここまで柱が少ないのも特異な点です。1階天井(=2階床)や2階天井にはトラス構造を用いることで、木造でも柱の無い大空間を実現しています(擬洋風では度々見られる手法です)。
2階はさらに装飾性に富んでいます。建築としての造形的意匠と天井紙や塗装などによる装飾がかけ合わさり、津軽の首都である弘前の栄華をうつしたかのような華やかさです。