旧逓信省門司郵便局
電話課庁舎
(現門司電気通信レトロ館)
旧逓信省門司郵便局
電話課庁舎
(現門司電気通信レトロ館)
完成:1924年
設計:山田守
場所:福岡県北九州市
政府機関の中でも郵便や電話を受け持つ逓信省は、郵便局や電話交換局といった「ハコ」を全国各地に建てる必要がありました。それらの建築は優美な洋風建築でありつつ合理性も追求した「逓信建築」と呼ばれる様態を形成しました。ここではその一つ、門司の電話交換局として建設されたものを紹介します。
外見はシンプルながら、交差点に面する角を緩やかなカーブにしつらえ、細い縦部材と合わせて瀟洒な印象を持たせています。なお、窓ごとに縦方向に分割されているのは単なる意匠ではなく、市街火災が生じた際には上部の孔から水を流して建物内部を防火するという機能が備わっていました。
内部の特徴として、角を隅々まで面取りして丸みを持たせています。これにより、装飾に依らず柔らかな印象を抱かせています。
電話交換室の内装は、天井に意匠を凝らしたり華やかな照明器具を備えたりと小洒落たものになっています。電話局なのに何故このように装飾されているかというと、当時通信の機密を取り扱う電話交換手には、身元のはっきりとした人間として家柄の明確な“お嬢様”を採用しており、彼女たちを意識して気の利かせた設計をしたのだそうです。