国立代々木競技場
国立代々木競技場
完成:1964年
設計:丹下健三
場所:東京都渋谷区
丹下健三の作品の中でも代表的な存在である国立代々木競技場。1964年東京オリンピックの会場として建てられたこの体育館は、橋梁分野で培われてきた吊り構造を「柱の無い大空間を実現する」ために取り入れるという、今日から見ても革新的なコペルニクス的転回が最大の特徴にして魅力です。
第一体育館は主塔を2本立て、その間に主ケーブルを渡し、そこから壁に向かって垂らされたケーブルが屋根の構造体となっています。これによって柱が一本も無い広大な屋内競技場を実現しています。主塔と主ケーブルの力学的構造は吊橋のそれと同じであり、したがって主塔の反対側の地上にはケーブルを繋ぎ留めるアンカーがあります。
第二体育館は吊り橋とは異なる構造で、1本の主塔からとぐろを巻いたような屋根を吊り下げています。
吊り構造によって生まれた「むくり」や「反り」をそのまま建築としての造形に反映しており、力学的緊張感とダイナミックな優美さを兼ね備えています。
吊り構造の躯体と関係のない部分は直線的で開放型の階段が配されたモダニズムらしい堅実な設計で、建物本体の曲線的な様相を際立たせています。