旧南会津郡役所
旧南会津郡役所
完成:1885年
場所:福島県南会津町
外壁は下見板張りと呼ばれる横長の板を張ったもので、江戸期以前は城などに使われてきた一方、明治以降は洋館にも多用された装飾性のある見た目です。屋根も瓦ではなく金属板。赤茶色の屋根とミント色の板張りの壁は、多くの擬洋風からは一歩進んだ垢抜けた感があります。一方で2階がベランダのように前に出てその下が正面玄関になっているのは擬洋風官庁舎の定型です。
内装は比較的質素で役所としての機能性を思わせ、日本建築の雰囲気を感じつつも洋風の意匠も見られます。
そんなこの建築の最大の見どころはステンドグラス。凝ったものではありませんが、鮮やかな色合いを添えるこの色ガラスの窓によって、壁や天井に装飾の少ない内装を華やかに彩っています。
決して壮大な建築ではありませんが、擬洋風の中でも進歩的で品の良い、好ましい印象のある建物です。