国立西洋美術館
国立西洋美術館
完成:1959年
設計:ル・コルビジェ(本館),
前川國男(新館)
場所:東京都台東区
モダニズム建築思想の生みの親であるル・コルビジェが直接手掛けた、泣く子も黙る「世界遺産」です(各国のコルビジェ作品と合わせて2016年に世界文化遺産構成資産として認定)。それまでの様式建築の装飾主義を否定し、人間工学に基づく合理性を追求した機能美の建築であるモダニズム、その「原液」を東京上野で鑑賞できるのは何とも僥倖なことです。
出入口となる1階をピロティとして開放し2階以上を上に持ち上げた構造、想定動線に合わせて臨機応変に配されたシンボリックな階段、木目が写ったコンクリート…とモダニズムの要素が一揃えになっています。無機的な前庭は置かれた彫刻作品を引き立たせてもいます。
計算的な構造、共通化された意匠。モダニズムらしい質素さは、壮麗華美な西洋芸術を展示する「主張しない台座」としても機能しています。
後年に増築された新館はコルビジェの直属の弟子である前川國男の作。本館とは異なる雰囲気ですが、こちらもモダニズムらしいシンプルな気品を感じさせます。
ちなみに、本建築の向かいには前川國男が手掛けた東京文化会館が建っています。早くも装飾的ジャパニーズ・モダニズムの様相を見せ始めた東京文化会館と、あくまで原義的な本建築の対比も面白いです。