東京文化会館
東京文化会館
完成:1961年
設計:前川國男
場所:東京都台東区
コルビジェの国立西洋美術館の向かいに建つ東京文化会館は、コルビジェの直属の弟子である前川國男の作品です。コルビジェは装飾性を否定したはずでしたが、日本人モダニズム建築家は建物に主張性を持たせるため造形的な意匠を加える「先祖返り」をするようになり、ジャパニーズ・モダニズムとでも言うべき独自の進化を遂げました。本建築でもその様相が随所に見られます。
ピロティ構造は踏襲していますが、その上部に建物としての機能は与えられていません。ジャパニーズ・モダニズムでよく見られる、モダニズムに「侘び寂び」を見出し日本建築的意匠を再解釈して融合させようとした形跡があり、この建物上部には欄干のような意匠を設けるとともにピロティに「軒下」機能を見出した空間設計がなされています。
内部はピロティを2フロア分にしたような天井の高い空間を基本としており、随所に装飾的な思想が見えます。
向かい合って建つ国立西洋美術館と東京文化会館、この2つの差異を見比べるとモダニズム建築をより興味深く味わえると思います。